アメリカンショートヘアーとは
アメリカンショートヘアーは、今からおよそ400年前、ピューリタン(正教徒)がイギリスからアメリカ(新大陸)に渡る際、同行した短毛の猫がアメリカンショートヘアの起源と言われています。一説には17世紀にメイフラワー号でアメリカに上陸したネコの子孫ともいわれていますが、実際のところはっきりどの猫が起源なのかは分かりませんがこの時代に来たと言うことは間違いないようです。
その際、アメリカンショートヘアの祖先は飼い猫などのペット用としてではなく、船上、家屋のねずみやヘビなどの害虫を駆除する為に選ばれたという経緯を持ち、別名「ワーキングキャット(働く猫)」とも呼ばれていました。この頃の猫達は基本的に愛玩用ではなく、害獣駆除の役割を持って威と言われています。
1980年代ごろから日本では持て囃されだし、現在でも人気猫種のアメリカンショートヘアーは、「アメショー」と省略して呼ばれることが多くなっていますが、ワーキングキャットとして働いていたアメリカでは「マウサー(ネズミを捕獲する)」と呼ばれています。
現在では母国アメリカでもペットとして不動の地位を築き世界的にもても非常にポピュラーな猫種です。
アメリカンショートヘアーの購入価格
アメリカンショートヘアーを日本国内のペットショップで購入する場合はおよそ15万円から20万円程度で、高額なチャンピオン猫ですと倍程する場合もあります。
ブリーダーから直接購入する場合は8万円から10万円程度で、アメリカンショートヘアにはいくつか毛色の種類がありますが、毛色によって値段が大きく変わることはほとんどありません。シルバータビーと呼ばれる銀と黒の毛色がその中でもポピュラーです。
ペットショップで購入するかブリーダーから手に入れるかは、金額面での違いの他に、健康面での補償がことなります。
よほどの有名ブリーダーでない限り、健康面のリスクは必ずしも補償されません。そのため、より健康な猫を探す場合はイオンペットやペッツファーストなど価格は高額ですが、選別されてきた猫がいるためよいと考えられます。
子猫にこだわらないのであれば、保護猫も検討してはいかがでしょうか。アメリカンショートヘアーは国内でも最もポピュラーな純血種であるため、捨てられる猫もいます。そうした不遇な猫を貰い受け、幸せにしてあげるというのもよいでしょう。
アメリカンショートヘアーの性格
元来は、ネズミ捕り、蛇の撃退を目的として飼われていたアメリカンショートヘアは、今でも獲物を狙い仕留めるという感覚が強く残っており、好奇心は旺盛でねこじゃらし等のおもちゃで遊んだり、同居猫と戯れあったりし走り回るなど活動的なタイプの猫種です。
そのため、物静かな猫を好む飼い主とは相性が悪く、室内で猫と遊んであげることが苦にならない、どちらかというとアクティブな方向けの猫と言えます。
デメリットとしては、好奇心旺盛な性格のため、棚の物を落としたり、家具を傷つけるなどはよくあることで、あまり遊んであげることができないとストレスをため、無駄に暴れたりすることもありますので注意しましょう。
アメリカン・ショートヘアの容姿
大きな目は猫種の中でも特徴的で、被毛の縞模様がアメリカンショートヘアーの代名詞になっていますが、3つ決められた模様があります。
1:首筋の縞はネックレス
2:肩から胸前の「チョウチョウのシルエット」
3:背中の3本の縞、そして脇腹の丸いマークが何とも言えない愛らしさを醸し出しています。
日本ではシルバーグレー系(シルバークラッシクタビー)の色が主流ですが、実際の毛色は80パターン以上もあるといわれており、大きく分けると黒、白、銀、クリーム、赤、茶色、青などがあります。日本にはあまり多くのパターンは入っていません。
体毛は名前の通り短毛で、猫種のなかでもさらさらとした手触りですが、しっかりとした被毛に覆われ、どんな気候もしのげるという特徴を持っています。この特徴は野外での害獣駆除に役立っていたと考えられます。
アメリカンショートヘアーの寿命
平均寿命は10歳から12歳程度と言われていますが、かなり個体差があるとも言われており、20歳生きる猫もいます。
ただし一般的には通常の猫の平均年齢は15歳前後ですので、それと比べると少し短命と認識したほうがよいでしょう。
短命の一因となるのがアメリカンショートヘアが太りやすい体質ということがあげられます。特に食事管理に気をつけるひつようがあり、管理しきれないと、糖尿病や尿路結石、心臓病など人間で言う成人病に罹患し易くなります。
一日2回決められた量を与え、年齢に応じたフードにかえていくことも重要です。
アメリカンショートヘアーのお手入れ・ブラッシング
短毛ですので入念なブラッシングは不要ですが、被毛がしっかりしているため抜け毛の多い猫の種類ですので、1日1回程度かるくブラッシングしてあげることで、抜け毛の飛散を防げます。ブラッシングは毛求症の予防になりますので、忘れず習慣にし実施することが重要です。
病気予防の他にはブラッシングにより猫とスキンシップをとる回数を増やすことになり。良好な関係性を保つことにも繋がります。
ただしブラッシングや爪切りなどを嫌がってなかなかさせてくれない個体が多いので根気は必要です。
アメリカンショートヘアーのかかり易い病気・怪我
アメリカン・ショートヘアのケガ・病気で特に注意が必要なのは、肥大性心筋症、尿石症、脂漏性皮膚炎、糖尿病です。実際に愛猫へのケガ・病気の予防について実施する場合は、かかりつけの動物病院にご相談の上、実施してください。
肥大型心筋症
肥大性心筋症とは、心臓の筋肉が内側に向かって分厚くなる(肥大する)ことによって、全身に十分な血液を送り出すことが難しくなってしまう心臓の病気です。
初期症状は無症状のことが多いですが、進行するにつれ、元気や食欲がなくなる、乾いた咳をする、後足麻痺などの症状が出ます。原因ははっきりとはしておりませんが、アメリカン・ショートヘアは好発品種とされています。
猫の肥大型心筋症は初期症状がないことが多く、また予防することも難しいため、早期発見・早期治療が重要となります。動物病院での定期検診を受けることをおすすめします。
尿路結石症
尿路結石症とは、尿路である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに結石や結晶ができ、尿道につまってしまう疾患です。
この尿路結石症は猫種を問わず多く見られる疾患で、アメリカン・ショートヘアにも多く見られます。猫の病気といえば尿路結石症というほど罹患率の高い病気です。猫は元々砂漠に済んでいたとされ、水を多く摂取せずとも生きてきたとされています。そのためミネラル分を外に排出する機能が発達しておらず体内に蓄積されやすいため尿路結石になりやすいと考えられています。
発症すると、排尿の回数が増える、排尿を我慢できずいつもと違うところで排尿をする、腹部を触ると痛がる、血尿が出る、排尿の姿勢をとるが排尿ができないなどの症状が出ます。だいたいの飼い主は血尿で気づくことが多く、かなり猫にくわしい飼い主だと排尿の失敗で気づきます。長引き易く繰り返し易い疾患のため出来る限りは焼く異変に気づき、軽度の状態で治療することが重要です。
尿路結石症を防ぐためには、マグネシウムやリン、カルシウムなどの結石の材料となるミネラル分を日々の食事で制限する、水分摂取量を多くする、トイレは常に清潔にして気持ちよく排泄できるようにするなどの対策・予防が必要となります。
現在では多くのドライフードなどは、尿路結石対策をされているものが多いのですが、味気ないのか食いつきが悪いとsれており、予防として幼い頃からならしておくのもよいでしょう。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは。真菌感染やアレルギー、栄養バランスの乱れなど、なんらかの原因により普段身体に存在している真菌が異常に増え、皮膚が異常を起こし、脂漏性皮膚炎を発症します。アメリカンショートヘアーに限定された疾患ではありませんが、アメリカン・ショートヘアがなりやすい肥満により皮下脂肪が厚くなることで皮膚の免疫力が低下し脂漏性皮膚炎を発症しやすくなることもあるので、肥満には注意しましょう。
発症すると、非常に強い痒みやベタつき、乾燥、フケ、匂いなどの様々な症状が現れます。
予防するためには、日頃から清潔な状態を保つことが大切です。室内はこまめに掃除し、適度なシャンプーやブラッシングを心がけましょう。
糖尿病
アメリカン・ショートヘアは食欲旺盛なため、肥満が原因となる糖尿病にも注意が必要です。とくに避妊、去勢後は食欲が異常に旺盛になることもあり、罹患し易いタイミングです。
糖尿病は血液中のグルコース(糖)を細胞内に取り入れるインスリンというホルモンの働きが悪くなることで血液中の糖分が多くなり、尿から糖が検出される病気です。糖尿病が発症すると、食べているのに体重が減る、水を大量に飲む、おしっこの回数が増えるなどの症状があらわれます。基本的な病気のメカニズムは人間や犬も同じです。
予防のためには適度な食事と運動を心がけましょう。愛らしい瞳でみつめられてしまうと「可愛いから」「食べたそうにしているから」といって必要以上の量をあげてしまい宅なりますが、長期的に見て愛猫のためにはなりません。
残念ながら人間の糖尿病と同じように完治しない病ですので、気になる症状が出始めたら、すぐに動物病院へのご受診をおすすめします。
アメリカンショートヘアーのペット保険
アメリカンショートヘアーのペット保険を選び際は他の猫の保険選び同様、腎臓疾患など長期の通院・入院を念頭に入れた保険に加入することが重要です。ですから通院のみ、手術のみの保険はあまりおすすめできません。通院・入院・手術が補償範囲のフルカバータイプのペット保険を検討された方がよいでしょう。
またペット保険の乗り換えには、寿命も鑑み8歳前後までには最適な物に加入されるのがよいでしょう。
ケガ・病気が起こった場合、保険に入っていれば家計の助けになりますが、実際愛猫とご家族は悲しい思いをします。
そのためには事前に予防処置をしておくことが重要です。
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アメリカンショートヘアーの特長まとめ
英表記:American Short Hair
原産国:アメリカ
誕生年:1600年代
公認団体:CFA・TICAの両方
ボディタイプ:セミコビー
原種:雑種のショートヘア
毛種:中くらいの短毛種
目色:被毛の色に準ずる
公認毛色:シルバータビー、ブラウンタビー、レッドタビー、パッチドタビー、クリームタビー、ブラックスモークなど、単色と縞模様で約70種
値段:ペットショップで購入する場合は15〜20万円、ブリーダーから購入する場合は8〜10万円
選び方:縞模様が綺麗かどうか
ブラッシングの頻度:短毛ですので入念なブラッシングは正直必要ありません(1日1回5分程度できたら理想です)
寿命:10〜12歳程度
大きさ:男の子であれば4kgから7kgほど、女の子であれば3kgから6kgほど
性格:元気で好奇心旺盛
かかりやすい病気:尿路結石、心臓病、肥満が引き金になることが多い。